昔に比べたら割と色んなものを好きな人間になった気がしますが、今でも変わらない"好き"はあったりします。
それが『× 和』です。
え、『× 和』なの?という感じですよね。これがまた面倒臭い所なのですが、どうにも「和」単体は好きではなくて。江戸時代とか正直一番好きじゃないし、百人一首とか能とか落語とか、そういうものを面白いと思ったことも正直ありません。(すみません)
だからあんまり下手なことを言うと本当に好きな人から嫌がられるようなタイプなんですが、なんていうかもっとポップにフラットに、現代人のカルチャーの1つとして私は扱っているんだと思います。
そんなふうに、音楽においても、服においても、私は何かと和を掛け合わせたものが好きなんだと最近やっと気づきました。和が他のものと合わさった時の異空間が好きなのかなあ。
割と昔からこの組み合わせにトキメキを感じていたはずなのに、気付くのは今更かと自分でも思いますが、ここにも書いてあるように何かと組み合わさった時に好きだ!と思うから、気付きにくかったんでしょうね。
と、いうことで、私が好きな『× 和』をここで紹介していこうと思います。
目次
①『音楽×和』
これは音楽とかライブに多いです。
特徴あるメロディとか言葉の響きの良さはそのままに、デジタルでちょっと今風にアレンジした感じ。どっちの良さも消すことなくむしろお互い活かしまくってて、日本人すげ〜なーって思う。
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三日月 - 嵐
『THE・デジタル×和』って感じがするよね!
朝から晩まで毎日聴きたくなるような曲かと言われたらそれは難しいですが、静かな夜とかに聴きたくなったりします。
ゆったりとした曲調で、何よりやっぱりメロディラインが綺麗。そこにエフェクトのかかった声が重なってくるから、カロリー少なめで和を感じることが出来ます。
触れてみれば切ないほど淡い光に
頰を濡らしたひとしずくは
胸に溶けて
そして歌詞もほどよく古文らしさを感じることができます。日本語って素敵だな〜と思えるよ。
そもそもこの曲が入ってるJaponismというアルバム自体が、"日本の素晴らしさを新しい解釈で表現したアルバム"(引用Japonism | 嵐~ARASHI~ オフィシャルサイト)と称しているので、この三日月以外にも私の好みど真ん中を突いてくる曲はたくさんあります。
ちなみにここに入ってるSakuraの振り付けが、シングルの中で1番好きな振りです。特に1番のサビがおすすめです。
Sakuraと言えばMステの紙吹雪が有名ですね
見えません。嵐消えた?
さっきの嵐が和要素強めだとしたらこっちはデジタル強めです。
でもやっぱりメロディよってものすごく和テイストな曲調になってる。沖縄民謡とかと一緒で、和っぽく感じる音の法則があるんだろうな。
劇場版ちはやふるの主題歌になった曲なので、歌詞も和歌と掛けてるとかナントカ。ごめんなさい和歌疎いのでちょっとそこまで深掘りする勇気はありませんでした。
あとPerfumeの醍醐味であるダンスが個性的でとにかく可愛い。手裏剣さばくような振りがあったり、空手っぽい振り付けがあったりと、結構ダイナミックな動き。こうやって視覚的に「日本」ってわかるダンスって逆に可愛いなあと思う。
MVも是非 [Official Music Video] Perfume 「FLASH」 - YouTube
Perfumeといいきゃりーぱみゅぱみゅといい中田ヤスタカ天才か???????
タイトルからバシバシ醸し出される『和』の雰囲気。クールジャパンじゃないけど、日本のポップカルチャーになるにはもってこいの曲。
Perfumeは『デジタル×和』にカッコ良さをプラスした曲だったけど、にんじゃりばんばんはカワイさを足した感じ。
きゃりーちゃんの可愛さに和をミックスさせて日本古来の伝統とか文化を表現しておきながら、au 4G LTEのCMになってるというのがまた良い。(このCMについては次の項目で紹介します)「驚きを、常識に。」というauのコンセプトを元に作られてるくらいだから、もはや最先端行っちゃってる。この文化を殺さずに新時代へ持っていく感じが好きなんだよなあ。
小学生の頃この曲がきっかけできゃりーちゃんを好きになりました。その時から和テイストが組み込まれたものが好きだったのかもしれない。今でも好きでたまに聴く。
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はいからさん - パスピエ
ちょっとレトロな雰囲気のイントロが可愛い曲です。
「提灯」「和太鼓」そしてなにより「浴衣の帯」といった単語からもわかるように、夏祭りの歌。
ハイファイはいからさん
真夏の夜のビート どうだいはいからさん
一緒に踊りましょう
夏祭りといっても現代の飲み食い騒ぎを思い浮かべるのではなく、日本古来の気品と奥ゆかしさを感じるのは、ひとつひとつの言葉選びと語尾のチョイスだと思います。
はいからさんはもとより、パスピエはこういう和チックな曲が多い気がします。それはCDジャケットのアートワークにも色濃く出ていて(これも次の次の項目で紹介します)、ボーカルのなつき嬢がそういう好みだからなんだろうなと。
②『映像×和』
①の音楽の延長線上みたいなもので、被ってるものも何個かありますが。視覚的にわかる和はやっぱり強いです。絵的にものすごく華やかになる。
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ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism
はいドーン。
桜!着物!色が鮮やか!和の暴力です。とにかく絵のパンチ力がやばい。映える映える。
桜吹雪も舞っちゃって。メンバーだけでなくJrの方々まで花傘を持たれています。踊りやすいようにか足元はブーツというのがまたいい。
この際何色でも褒めていた気はしますが、着物の色が青と紫というのも艶やかでいいですね。赤とかでも華やかさは負けてないけれど、男性が着ると言う意味では赤だと女性らしさが強い気がして。その点青ならクールさも残しているので花丸だと思います。(誰)
当時の人たちにはあまり見ない色だからこそ、現代らしさでありこれはショーなんだというのが伝わってくる。
でも袖のところに添えられたビビットピンクがいい仕事をしています。二宮くんって「純日本人顔」をしているのでこういう和装がとにかく似合う。(あと信じられない位ちょんまげ姿が似合います)
で、よく見てみるとメンバーそれぞれ微妙に違うデザインで、さりげなくメンバーカラーが差し色として使われていたりと、デザイン性が高い着物ですっごいテンションが上がる。ちなみに二宮くんは黄色の代わりに金色があしらわれていて、差し色で金を入れるのが好きな私にとってどストライクの衣装です。
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au 4G LTE × きゃりーぱみゅぱみゅ のCM
いいなCM au きゃりーぱみゅぱみゅ ♪にんじゃりばんばん - YouTube
これが①で少し書いたauのCMです。
東京タワーのすぐ近くにある増上寺というところで、お寺にプロジェクションマッピングを投影しているという、同時にしたらめちゃくちゃ最先端の技術。しかもお客さん達のスマホと連動してる。初めてこのCMを見た小学生の時、衝撃を受けたことを覚えてる。超近未来で今見てもゾクゾクします。
東京タワーとお寺がセットにあるロケーションがまず100点ですよね。そこに夜と光が合わさって、醸し出される異空間とSFっぽい雰囲気。夜のお寺ってホラーの概念も合わさってめちゃくちゃ怖いイメージあるじゃないですか。その気味悪さを逆手に取った感じがいい。
あとわからないけど、和テイストのものにはよく赤が使われてることが多い気がします。お寺とか神社関係のものは特に。この雰囲気を作り出すのに、建物の色使いは結構重要だったんじゃないかなあ、なんて。東京タワーが緑とかじゃなくて良かったと思う。漆黒に合うのは赤だよね。
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[Alexandros] Kaiju MV
[Alexandros] - Kaiju (MV) - YouTube
嵐と同じように演出に和を取り入れただけなのに、こんなにもイケナイ雰囲気になってしまうのはなぜでしょうか。こういう接待をする風俗ありそうですよね。
にしても本ッッッッ当に格好いいMVです。
曲の内容は全く和ではないので、完全にタイトルの「怪獣」に引っ張られた作品ではありますが。というかそもそも怪獣という単語も和に繋がるのか?とか色々まあ疑問は浮かびますが。
そんな疑問も文句()も何一つ言わせないくらい格好良さの暴力がここにはあります。ロック×スーツ×和ってこんなに格好いいのか!!とその凄まじさにひれ伏してしまうくらい。
1つめの嵐を比較対象にしてみると、嵐は自分たちが踊っているのはもちろん、バックダンサーもJrなので男性です。衣装も自分たちが和服を着ています。
また曲には触れませんでしたが、あの衣装の時は割と"ザ・JPOP!"みたいな曲を歌っています。それも含めて、嵐の場合は日本の和が持つ華やかさ・上品さを全面に押し出しているといった印象です。
それに対し[Alexandros]は、女性のダンサーを用意しています。それだけで色気を持った別の華やかさが生まれますよね。また舞妓さんのように濃い化粧をしていて、表情や顔立ちがはっきりとわからない怪しさ。そしてダンサーの衣装も露出度の高い衣装にアレンジされていて、この時点で伝統的な和からは離れています。
一方でメンバーの衣装はスーツ。スーツは固い・真面目といったかっちりとした印象を与えながら、場所を変えれば一転、時としてホストなどの夜の世界でも着られる服であったりします。このMVではどちらかと言うと後者の方。となると、そういった少し危険な雰囲気を感じるのも納得ではないでしょうか。だってこれがメンバーだけ下北のバンドみたいにTシャツにジーパンとかだったら、雰囲気ぶち壊しでしょう。そういうことです。
そして何よりこのKaijuという曲がゴリゴリのロックソング。骨太なビートと歪んだギターに合わせて、ダンサーさんもダイナミックな踊りをします。
なので[Alexandros]の場合、和が持つ色っぽさ・和を少しアレンジした格好良さというものを表現している感じ。
冒頭にも書いた「イケナイ雰囲気」とかいう色気を感じてしまうのは、そういう理由があるんじゃないかと思います。
初めてこのMVを見た時、まじでやってくれたなと思いました。伝家の宝刀を見せつけられたような感じ。正直シングル曲でもないしアルバムのリード曲でもない曲なので、見てもらえる機会が少ないのが本当に残念です。こんなに格好いいのに………という気持ち。伝家の宝刀ここで使ってしまったんか……ともなる。
③『アート×和』
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パスピエのCDジャケット
これが①で少し触れたパスピエの話です。
1.幕の内ISM
この絵と出会った中学2年の頃からずっと、私のアイデンティティの根源にあるものです。きっと。それくらい私はこの絵に影響を受けたし、本当に大好きなデザインです。
私の中にある「和テイストのものが可愛い」と思う感性をはっきりと確立させたものでした。
何度も真似して描いたな。着物の女の子を描けるようになったきっかけでもある。
2.演出家出演
着物の女の子がヘッドホンをしているのが可愛いです。
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おしゅしだよ
可愛くないですか。なんかだんだん雑になってる感否めないし、説明も簡素になっていてすみません。
おしゅしだよって何だよって感じですよね。そういうキャラクターです。好きでグッズが何個か家にあります。
以上、3項目でした。最後なんてもうヤケクソすぎるし(本当ごめんなさい)本当は深掘りすればもっとあるんだろうけど、①と②で書き切った感出ちゃって考える気力がありませんでした。
洋服×和とか沢山あって絶対面白いんだろうなあ。でも逆に幅が広すぎて大変な気がする…と思って静かに触れることをやめました。
でもこれって日本にしかできないことだし、×和のなにが面白いかって、全て現代の文化と融合しているところ、だと思います。
歴史的な建物を見に行くとか、体験をするといった現代人がその時代に触れる・古き良き時代に想いを馳せるのではなく、和を自分たちの作品などと組み合わせて「今あるもの」として新しいものを生んでいく。この2つで和の感じ方が全く違うというか。
そこがやっぱり面白いし、好きなんだよなあと書いていて改めて思いました。