ひとりごとの記録

主に音楽、アイドル、菊池風磨くんのオタクのひとりごと。

あなたが思う、東京とは

昨日、あのこは貴族という映画を見た。

同じ東京に住んでいながらも、生まれた時から東京にいる家柄の良いいわゆるお嬢様と、大学進学をきっかけに地方から上京して仕事をしている女性と、全く違う環境で生きている2人の女の人の話。

小説が原作らしいです。

 

 

関東圏には住んでいるものの都民じゃない私は、小さい頃から東京に憧れていて、気づいた時には東京が好きだと思うようになってました。

最初は物理的になんでもある便利な場所だから、というのが理由だったと思います。それは"東京=便利"という、無意識のうちについた固定概念でもあったような。

 

それと今振り返れば、私は小さい頃からなんでも1人で出来るようになりたいと思う子供でした。1人で買い物に行く人、1人で電車に乗って出かける人。そういう人が多分すごく大人びて見えた。

そうした延長線上に、大人になったら"東京でひとり暮らしをしたい"という小さな夢がありました。小6の時に将来の自分へ書いた手紙に、「大人になったら東京のマンションの真ん中くらいの階に住んでほしい」みたいなことを書いたのを覚えています。あの時はなんとも思っていなかったし、素直な願望だったけど、今思えば可愛げのない夢だと思う。でもこれは今でも変わりません。この時からずっと、東京で自立することへの憧れがありました。

 

 

劇中、上京して住み続けてる美紀ちゃんが都内にある自宅のベランダで、「地元から飛び出してこないと親の人生リターンしてる友達ばっかだよ」と話していたのがとても刺さって、私が東京に住みたいと思う理由がなんとなく腑に落ちたことを覚えています。

ここでいう「親の人生リターン」というのは家の仕事を継ぐという意味で、そういう意味では私は美紀ちゃんとは全然違う環境なんだけど。それでも、「地元から飛び出してこないと」という言葉を聞いた時、私もつまりはそういうことなんだろうなと思ったんです。

 

東京に住むということは、私の中では"窮屈な地元から飛び出す"という感覚だったんだと。何か事情があるわけでもないけど、そうしなきゃ駄目だと思った。

 

"生まれ育った"という選べない与えられた場所で、自分の居場所を最低限見つけていくのではなくて、ゼロから全て自分で選んで、見つけていく生活をしたかった。そしてそれをただの我儘で終わらせないために、早く経済的に自立しなきゃいけないと思うようになった。

これは今の結果論であり、当時小6の私がこんなことまで考えて、東京でひとり暮らしがしたいと思ってたわけではないけど、根底は変わらないと思います。なんでも1人で出来るようになりたかったように、1人ですべて決められることが輝いて見えた。

 

 

東京を好きだと思う理由は、まるで一つの国のように場所によって文化もそれに属する人も全く違うこと。映画ではこれをいい面でも悪い面でも表現してる話。東京を好きな理由がそのまま話になっていて、観て良かったと思った。

 

何かを変えるなら東京。変わるなら東京。

 

どうしてそれが東京になるのかはわからないけど、きっかけは東京にあると思う人がほとんどで、例外なく私もそう。色んな人が無数にいるからこそ、どんな自分でも受け入れてくれると思える人が多いんだろうと思う。学歴も肩書きも、何者でも許されるし、何者にならなくても許される。みんな、東京に来て変われるんじゃないかと自分にしか期待してないから、気が楽なんだと思う。

 

人は、生まれた世界や育った世界がすべてになってしまうところがあって、そこしか知らないから似たような人としか出会わない。それを映画では「住み分け」と呼んでいたし、だから階級が存在する世界もあるのかもしれない。

だけど本当はきっとそうじゃない。その世界から抜け出して、飛び越えて見つけるものもきっとあると思ってる。飛び越えたいと思った時、そのアクションが上京になってくれるなら、私はこの上ない一発逆転ガチャだと思う。もちろんどっちが正解なんて決まってないけど、どちらかに縛られる必要もないはず。

 

守られた中で与えられる幸せだけでなく、見つけて掴む自分なりの幸せだってある。そしてみんなどちらの幸せを得たっていいし、与えられた幸せがいいか、掴む幸せがいいか、選択する権利は自分自身にあるんだと思わせてくれる映画です。

 

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