本編ラストの曲にSad Worldがきた意味だけは、全ての意図を汲み取れなくても自分なりにちゃんと考えたいと、初めて入った名古屋の時から思ってた。
風磨くんが挨拶でよく話す「明日から普通の毎日が戻るけど、今日みたいな日があればまた頑張れる気がする」と繋がると思ってて。向き合わなきゃいけない日常や現実がSad Worldを通して伝えられるけど、それが少しでも光の差すものでありますように、どんなに暗闇でもどうか夜が明けますように、という願いが込められている気がする。それを一言で表すなら明けない夜はないと表現するけど、そんなたった一言で表すのはなんだか安っぽいし、一言で表せるほど生きていくことは簡単じゃないっていうのを私たちも、SexyZoneもきっとよく知ってる。だからそれを少しでも具体性を持って厚みのあるもの、より私たちの心の奥にちゃんと届くものにしたのが今回のChapter IIなんじゃないかなあって。
6/29名古屋公演を見た直後のメモ。1曲目がBUMPというセクゾにしたら珍しく激し目の曲で、勢いよくスタートしたからSad Worldが最後の曲にきたことが意外で驚いてた。
アルバムとして初めて聴いた時も、曲調ではなく伝えたいこととしてこの曲だけはどこか暗くて異質だなと思ったし、そこに私情をかなり当てはめてしまったから、尚更驚いたのもあったけど。
歌詞を読み進めるにつれ、ネガティブだけではなくポジティブも歌っているのは聴いてわかったけど、それでもこれをSexyZoneに当てはめるにはちょっと重いのではないか、なんて思ってた。
風磨くんはセトリを決める時、いつも最後の曲から決めるらしい。だけど今回は最初の曲から決めた、みたいなことどこかで読んだ気がする。
私は別に風磨くんがどういうテーマでセトリを決めているのか全てはわからないけど、それでも自担がセトリを通してメッセージを伝えようとしているならそれは出来る限り汲み取りたいと思う。だから今回最初の曲から決めた意味を考えるなら、ライブを通して何を伝えたいかを最後の曲で提示する以上に、“第二章”と謳う今、最初の曲で見せたいSexyZoneに重きを置きたかったのかなあと。
見てほしい“今のSexyZone”を堪能してもらったあと、“もう一つの今”であるありのままのSexyZoneを見てもらう。もう一つの今というのは、メンバーが卒業して4人になり、まだその寂しさの中にいるSexyZoneのこと。彼らはそういう寂しさや哀しさを決して隠しはせず、ちゃんと触れて一緒に共有してくれる。
それを託された曲が、Sad Worldなのだと思う。
前述したように、ネガティブを歌う曲ではあるけれどこれをSexyZoneに当てはめるにはちょっと重いと感じていたのが、ライブを通して聴くことで印象が変わったのが更なる意外だった。
It's a sad sad world oh 君を思い出す
また去る誰かのため前向く
I know it's sad but look at the sky
照らす青空を笑顔で見送る But l'Il miss you
君を still missing Oh girl 見守って
あの日の約束を叶えるところ
見せるから今照らして
It's a sad sad world oh 今も願ってる
この世界に溢れてく love と truth
Pains are stacking inside our heart
夜は長いけど 朝日を見るため走るwith you
今聴いたら、SexyZoneにしか当てはめられないとさえ思う。
私が名古屋公演を見て最初に残した感想も的外れではないと思うけど、ライブを通して曲に対するイメージを変えてくれるというか、最後の曲に持ってきた意味を納得させてくれるところが、なんていうか単純にすごいなと思った。
2019年のペジコンで最後の曲にCRYを持ってきたように、じっと堪えるように夜明けを待つ時間もちゃんと描くところが好き。
この曲を歌う前の挨拶で風磨くんは、「またここから新しい夢をみなさんと見たい」「同じ景色を一緒に見てくれると約束してくれますか?」と話していた。新しい夢を見たいという意味を込めて、Chapter IIと名付けたと。
去年の年末に念願の初ドームを終えてそこからのChapter IIなら、最後の曲がSad Worldではなかったのじゃないかと思う。もっと華々しい、言うならばセトリ落ちしたMessageあたりがきたような気がする。だけどChapter IIには、5人からの卒業と4人での再スタートという意味も込められている。4人体制になって初めてのアルバム、ツアー。どうなのかな、不安だなと感じる人も置いていかず、そこにある寂しさを取り残さずに汲み取ったゆえの選曲が、きっとSad World。
“今”を描く時、ポジティブだけではなくネガティブも描くところが、実にSexyZoneらしいと思った。『必ず夜明けは来るから、夜明けを待つ時間も一緒に過ごしてみませんか』という風に私は感じたよ。