書こう書こう書こう、書こうと思ってもう少しで1週間が経ってしまいます。そういうところです本当に。
やっぱり感想は終わったその日に書くのがベストなんだなーと実感している。
11月28日、フォーリミのために名古屋に行ってきました。実に2年半ぶり。名古屋自体は定期的に行ってきたからそんな感じはしなかったけど、フォーリミ遠征は2018年5月のあのガイシ以来だったのかと思うと、長らく行っていなかったんだなと思う。
1週間前とかいう直近で決まった遠征だったので(短期間で決行できてしまう経済力が大人になったんだなと実感した) コンセプトも何も知らないで行ったんだけど、会場に入ったら至る所に見える"Terminal"だったり"出発"の文字。そして入り口が"搭乗手続き"になっていることで今回のテーマが "航空" であることに初めて気付きました。
いざ客先に着いたら場内BGMはなんか飛行機の中で流れてそうな音楽だし、会場アナウンスの言葉選びも「会場内では」じゃなくて「機内では」に言い換えられていたり、その粋な計らいに思わずにやりとしてしまう感じ。
極め付けは各座席の上に置いてあったパンフレット。Higher daysと書かれたその冊子はまるで飛行機の中にある機内雑誌のような中身とデザインで、紙もめっちゃしっかりしてるやつ。
"YON AIR LINE"という架空の航空会社の機長、という設定でメンバーがパイロットの格好をしてるところからまずネタ。あとこれは読んでもらえばすぐわかるんだけど、めちゃくちゃにふざけながら今回のライブの注意事項などを書いていて、「あー私はフォーリミのこういうところが好きなんだよなー」と思い出して懐かしい気持ちになりました。
ふざける時は振り切れるくらいふざけてそこに妥協しないのがフォーリミで、その清々しい感じが面白い。
でもその冊子のタイトルもそうだけどふざけてる端々に曲名が使われていたりと、ファン心をくすぐってくるところ。まるで伏線を張られているようでドキドキする。
だからステージ上でたくさん見つけた"CAVU"の文字。これもそう。最初見つけた時は今までのアルバムタイトルを飾ってるのかなーって思ったけど、他のアルバム名がどこにも見つからなくて「あっ」となった。
フォーリミが言うCAVUっていうのは、もちろん2015年4月にリリースしたアルバムタイトルのこと。でもそのCAVUという言葉は略称で、正式には"Celing and visibility unlimited"。意味は航空用語で"限りなく視界良好"。この頭文字をとって"CAVU"
つまりアルバム名でもあるけれど、本来の航空用語というところを利用して今回色んなところに使われているんだと気づいて、わかる人にしかわからない感がやばくて超テンション上がった。
にしても話が逸れるけど、航空用語で限りなく視界良好という言葉がCAVUで使われていると知って、ゲン担ぎとしてメジャーデビュー1発目のアルバムタイトルにこの名前をつけた、GENさん本人が天才だと思うよね。
なんてワーワー思いながら本当のところは全然実感が湧かなくて、これから生音のライブだということが信じられなくて、一緒にいた友達とも「そんな感じしないねー明日何食べようかー」なんて呑気に話していたくらい、ある意味ずっと異空間だった。
ライブに行き続けるという、本来当たり前じゃないはずのことが当たり前かのようになっていた日々の中で、不可抗力のものによって本当の意味で当たり前では無くなってしまった今年。
死んだように生きる日々ではあったけど、どこか無いということに慣れてそれが当たり前になっている自分もいて。
多分、"生音を聴く"ということがどれほど貴重か、改めて気付かされて感謝する時がこれから来るんだろうなー、なんてぼんやり思ってた。
そしてそれは1曲目のTerminalを聴いた瞬間、早速痛感させられるんですけど。
残念なことにSEが流れた時のこととか全然覚えてないんだけど(まじ頼むからしっかりしてほしい)、Terminalのイントロが始まって紗幕にメンバーのシルエットがデカデカと映し出されて、最初のサビを歌い終えたあと、紗幕が落ちた一連の流れははっきりと覚えてて。
紗幕に映った影がまるで武道館の時みたいで、見逃さなかったその一瞬の出来事、懐かしい気持ちに胸がキュッとなったり。
あーこれだなーってしみじみと思った。
声自体、音そのものじゃなくて、隙間隙間に聞こえる息継ぎの音とか、反響する音とか、げんちゃんの高い声が耳の中でちょっと割れちゃう感じとか(これは独特すぎて自分しかわからない気がする)。
とにかくその生音を聴いた時にしか感じられないもの、というものを全身で受け止めた瞬間、身体の内側が満たされていく感じがした。
あの感覚はぶっちゃけ1曲目がどんな曲であれ感動しちゃう。まじでライブを生きがいとする全人類に体感して欲しいし、できることならその久しぶりを体感する1回目を、好きなアーティストに捧げてほしい。
何度も聴いてきたTerminalだったけど、"自分で選んだ夢の途中"っていう歌詞がこんなにも刺さったのは初めてだったかもしれないな。
それは言わずもがな今の時期だからなんだけど、高校生の頃とは真逆の捉え方をしていることが、どうしても目を背けてしまいたくなるような情けない気持ちになったな。あの時はプラスの意味で聴いていたのが、今はもう、図星を突かれてしまっていて、過去の自分にごめんって思った。
多分後半にも書くように、中学・高校と私はフォーリミに自分の意思表明となるものをあまりにも詰め込みすぎてしまったものだから、フォーリミの曲を通して何度も"絶対"っていう決意をしてきてしまったものだから。
それが無くなってしまった今、そんなふうにごめん思ってしまう瞬間がたくさんあって。どんな顔をして聴いたらいいのかなって思う曲がたくさんあって。
ちょっと怖かった。私にとって音楽に閉じ込めた記憶はどんなものよりも鮮明だからこそ、色褪せず感覚ごと蘇ってしまうことが残酷だなあと思った。
3曲目、ダンダンダンダン...とバスドラを踏む音が聴こえて、直感でChicken raceだとわかりました。
私この曲本当に本当に本っっ当〜〜〜〜に大好きで。シンプルに楽しいからなんですけど。どんな曲よりもコールアンドレスポンスから全体のリズム込みで楽しい曲だと思ってるくらいトップ・オブ・ザ・トップの曲。
曲前にやるコールアンドレスポンスは毎回
オガさん「ハイハイハイハイ!」
客 「ハイハイハイハイ!」
から始まって、途中その日オリジナルを挟みながら
オガさん「フォーリミ!フォーリミ!」
客 「フォーリミ!フォーリミ!」
で最後は必ず締める、というのがお約束なんだけど、これがめちゃくちゃ楽しい。
だけど今回は声が出せないからなんとジェスチャーという、結構ハードな要求。なかなかにシュールだったけどね。
それにしても自分で言うのも何だけど、この曲に関しては引き運が強いと思う。2daysで日替わりのセトリになった場合、高確率で私はこの曲をやる日を引く。
MC1発目、「帰ってきたぞ名古屋!」とGENさん。次いで二言目、「久しぶりだね、元気してた?」
自分たちのライブが久しぶりだということだけを話すんじゃなくて、ファンにも振ってくれる感じ。
絶対に「元気だった?」なんて聞かれる真柄ではないのに、そういうキャッチボールをしてくれるところがフォーリミだし、そんなフォーリミが好きなんだなと、一つずつ思い出していく感じ。
画面越しではなく今、リアルタイムで同じ空間でこの言葉を聞くからこそ、ライブはナマモノでその空間にいる人たちだけで作り出すものなんだっていうことがわかる。
ちなみに今回の全席指定が私にとって初めての指定席で見るフォーリミで、今までは有難いことに全てスタンディングで見ることができていたんですけど(これに関してはまじで感謝)。
そのおかげで初めてfictionのサビをちゃんと見ることが出来ました。だからどうとかいうわけではないけど、普通にサビ聴いててふと思った。いつもは ダイバーの餌食になって顔さえも上げられない or めちゃくちゃなモッシュで埋もれる の2択だったので、何事もなく見れている事に感動した。
「今日は星がよく見えますね」という曲フリで始まったmidnight cruising。
久しぶりに聴いたからか、改めてこの曲の素晴らしさに気づいてしまった。
リード曲でもないのに知られていて、支持があるところ。古くなっても色褪せない。名曲だね〜〜本当に名曲。タイトルからして綺麗な響き、これを名曲って言うんだわ。
monolithとかswimに匹敵するくらい力を持った曲。""こいつになら任せられるぞ""感がある。
あとmilkの2番歌い出しの歌詞を忘れてたんだけど、なんかこれ見覚えあるぞ?と思ったらやっぱり2回目だった。やっぱり去年のYON EXPOでも忘れてたよね???????
去年忘れてたことまでワンセットでメンバー自身も覚えてるから笑っちゃったよね。去年の前科があるから今年は2番までリハしたらしいのに忘れちゃうところが草。そのおかげでGENさんのみで忘れた部分だけやり直してくれました。ベースと歌声のみって貴重だよ〜〜。
「会いたい人にはすぐに会いに行ける関係性でいたいし、会いたいって思った時に会いに行きたい。好きなものは好きでいたいし、自分の気持ちに正直でいたい」
「病気のこととか言おうか最初は迷って。俺心配されるの好きじゃないから。言うことによってみんなから心配されるのが嫌で、最初は言わないでおこうと思ったんだけど。でも俺たちのことを信じてここまで着いてきてくれたみんなのことを、信じないでどうするんだろうって。信じてくれるみんなのことを信じたいって思って。」
「GO TOライブハウスとかあればいいのにね。あんなに悪者扱いしてきたんだからさ、それくらいのことしてくれてもいいのに。ライブハウスやバンドマンに当たりがキツイ世の中だけど、今までついてきてくれたみんながいるのが頼もしいし、こうやって動き出す一歩目がここにいるみんなで、まじでよかったです。」
後半、真剣な目をして話してくれた言葉たち。
どんなMCよりもGENさんの紡ぐ言葉が大好きだったことを思い出した。言葉を受け取ることによって、自分の気持ちと答え合わせをしていく感覚。
「好きなものは好きでいたいし、自分の気持ちに正直でいたい」という言葉を聞いて、過去の自分がどういう気持ちでライブに行っていたのかハッとさせられた。
どんなものを選んだとしても、"今"選んだ気持ちを信じていたい。今行う決断は今の自分に正直でありたい。ずっと私はそういう考え方だったじゃん。思い出したよ。好きだと思うものを好きでい続けたいと思って選んだ今ならばそれでいいんじゃん、ってなんとなく思えた。
「このコロナで本当に心病みかけた友達が俺の周りにも結構いて。死にたいって。みんなの中にもそういう風に思った人もいると思うんだけど。だから俺はいつも『お前死んだらぶっ殺すからな!』って矛盾したことを言ってて。その意味のない感じが好きでもあるんだけど。」(ニュアンス)
そう言ってしばらく話した後、GENさんは最後にこう続けます。
「この会えなかった数ヶ月の間どうせ考えすぎてたんでしょ!」
ああくるぞって思った。
「考えたって落ちていくだけだしさ!」
一つ一つの言葉を今までよりももっと、噛み締めて受け止める。
「考えて考えて考えて考えすぎて自分自身が何なのかわからなくなってしまった人に送ります!!!」
もう駄目だった。
「自分自身に!生まれ変われ!」
静かに右目から涙が頬を伝った。
Squall。私の夢に対するありとあらゆる決意表明を閉じ込めた曲だった。何度も何度もあのMCと歌詞に救われてきた。今の私がここに来るまで何度も自分を奮い立たせてきた曲だった。
だけどその夢さえもが消えていった今年。逃げた私にとって、決意表明をしてきたその過去はただ傷口となっただけだった。わかってはいたけど。自分のせいだけど。
もうこの曲は聴けないと思った。どんな顔をしてこの曲を聴いたらいいのかわからなかった。だからずっと避けてきたし、怖かった。
聴いている最中、悲しいのか悔しいのかもわからないのに右目からずっと涙が出てた。今思い返しても泣く理由が思い当たらないけど、でもわかる。懺悔にも近い歌詞。痛いくらい刺さるけど、こうやって生音で向き合っていくしかないんだと思った。
Squallの後、ラスト1曲と言って始まったのはなんとMy HEROだった。
この流れにはもう、驚きと、運命めいたものを感じて込み上げるものがあって言葉にならなかった。
Squallと同じようにMy HEROも、私の夢に対するありとあらゆる決意表明を閉じ込めた曲だったから。というかこの2曲が私の中でツートップでそういう位置にある曲で、他にはない立ち位置にいる特別な2曲。
この2曲を聴いてた高2の3月は聴いては泣いて聴いては泣いての繰り返しで、とにかく何度も何度も泣いた。
そんな個人的近い距離にある2曲が、まさかのセットリストでラスト2曲を飾るという。自分のためのセトリなのか?まさかGENさんは私がこの2曲を聴いて泣きまくっていた過去を知っているのか?と思ってしまうくらい、衝撃だった。
そして嬉しかった。あの頃セットで聴いていたこの2曲を今再び聴くことで、まるで""原点回帰しろよ""と言われているような気持ちになったから。まるであの頃の自分に「結局救われる曲は同じなんだぞ」と言われているかのように、フッと後ろから追い風で背中を押されたような感覚だった。
そうして本編が終了してふと冷静な気持ちになった時、なんとsonorから1曲もやっていないことに気づきます。sonorというミニアルバムが1番好きな私にとって、結構これは重大問題。
いや〜〜〜まじか頼むアンコール…でもアンコールでやるような曲ないもんな〜〜〜まじか〜〜〜……
なんて思っていたら
なんと
アンコール1発目聴こえたイントロは
Now here,No Where!!!!!
奇跡です。神が来ました。都合のいいオタクなので私の引き運!!!!!!!!強い!!!!!!!と思った。
正確に言えばイントロではなく曲フリで気づいたんだけど、なんとその曲フリを覚えていないという失態。今回そういうのありすぎて久々のライブはダメだなーーと思った。培ってきた激ヤバキモレベルの記憶力どこいったんだろうか。
なうひあがアンコールに入ってくることなんて滅多に無いんです。なうひあはおろか、sonorの曲をアンコールでやることなんてRemember以外聴いたことない。そのレベルなので私はこの選曲がめちゃくちゃレアだと思ってる。まじありがとう。それに尽きます。
そしてラストはワンマンでしかやらない曲と言ってGive me。昔GENさんがよく言ってた「一生一緒にいて欲しい」はこの曲の歌詞から来てます。
私はこの曲をワンマンで最後に聴くたびに、一生一緒にいようねって思うんだよ。
次会えるのはいつになるかな。
好きになってから何年も経ってくると 好きになれてよかったなあって思うようになってくるんだけど、ついにフォーリミもそういう風に思うようになって、それだけ年月が経ったんだなあって思った。
いつかの日に私はフォーリミのことを"等身大のヒーロー"って書いたことがあった。
でも気持ちが変わって、形が変わって。
いつまでも同じように当てはめることは出来なくなったけど、
私はこの人たちに会えばいつだって純粋な気持ちに戻れるんだなって気づいた。
思い出すことができるんだって。
大人になって聞き分けが良くなっても、変わらないものはここにくればわかるよ!って教えてくれる。いつでもライブハウスで待っていてくれるような存在。
名古屋のヒーロー。
これからも私にとってそんな存在でいてね。