さて、今年も一人で振り返る季節がやってまいりました。
去年の大晦日に書いたのはこれ。
ただ聴いた曲を集めたプレイリストではなく、今年出会った曲の中で”救われた”という意味で印象に残った曲を集めたプレイリストが、『2021』というもの。
去年は12曲というなかなかな曲数がランクインして、ヒーヒー言いながら書いた記憶があります。かくいう今年はなんと4曲。
…ちょっと少なすぎて自分でもびっくり。12ヶ月もあってたった4曲。多ければいいという訳でもないので別にこのままでいいんですけど、どうしたものかという疑問。
まあ、時系列と共に振り返っていきます。
①できるだけ-嵐
今年の3月あたりに聴いていました。ちょうど専門を卒業したあたり。
『あの店のケーキ イチゴの数が減って 紅茶も何だかコクがなくなったよね』
という歌い出しの歌詞が、”変化”というワードを共通点にサビでは
変わっていくことを何故僕らは恐れるのかなあ
変わらないものを笑うくせに
と、こんなふうに真理を突いてくる歌詞に繋がります。
自分自身でいたいと思うけれど、誰かに憧れて変わりたいと思ったり、このままでいたいのに、環境や時の流れとともに変わらざる得なくなったり。そういう人の人間らしい矛盾を、2行でわかりやすく書けてしまうのがすごいと思う。
私が特にお気に入りなのはここ。
できるだけ僕のままでいたいと思える日々を
未来の僕はどんなふうに振り返るんだろう
まさに、もうまさに、この時の私が思っていたことでした。
なりたい大人になるのも、なりたくない大人にならないようにするのも、きっと今が分岐点で。好きだと思うものを守っていきたいと強く思っている今の自分を、将来の私はどう思うんだろうか、となぜか考えてしまうんですよね。
2番では
『できるだけ僕のままでいたいと思う気持ちは 甘えか自分らしさなのかわからないけれど』
ってなるんです…!刺さる。刺さる。刺さる。その通りすぎる。甘えとも自分らしさとも言い切れないことを、自分でもちゃんとわかっているところが良い。大人と子供の狭間を彷徨っている感じが、後半のこの歌詞でとても伝わる。
ちなみにこの曲が出たのは2003年で、まだ10代の嵐がこの曲を歌っているというのが尚良いです。10代のアイドルが歌うからこそ、歌詞にリアリティが増します。
②記念撮影-BUMP OF CHICKEN
これいつプレイリストにいれたんだろう…って感じです。全然記憶にない。なんなら2年前から聴いている曲なんですけど、今改めて歌詞を読み返したらランクインした理由がなんとなくわかる気がしました。
ベクトルで言うと1曲目の『できるだけ』と同じ感じです。立ち止まって過去を振り返りながらも前を向く、みたいな。なんていうか、この曲の雰囲気を今っぽく簡単に言ってしまえば、”エモい”の一言に尽きるんです。
やりたい事がないわけじゃないはずだったと思うけど
思い出そうとしたら 笑顔とため息の事ばかり
昨日と似たような繰り返しの普通に 少しづつ時間削られた
瞬きの向こうに いろいろいくつも 見落としたり見落としたふりしたり
想像じゃない未来に立って 僕だけの昨日が積み重なっても
その昨日の下の 変わらない景色の中から ここまで繋がっている
専門の友達に聴いてほしいなあって思う歌詞たちです。
卒業して仕事が始まって、いつかの自分が思っていた未来と違うものを選んだのは自分だけど、過去の自分にどこか申し訳なさもあって。そういう意味で選び間違えたなあってたくさん思うこととか、これからどうなっていくんだろうっていう気持ち、何より戻らない時間の青さ、全てを代弁してくれた曲でした。
③time will tell-宇多田ヒカル
これは忘れもしません。強く強くはっきりと覚えています。7月あたま、一人暮らしを始めてすぐの頃に聴いていました。
Time will tell 時間が経てばわかる
Cry だからそんなあせらなくたっていい
Time will tell 時間が経てばわかる
Cry 明日へのずるい近道はないよ
きっと きっと きっと
自分でもよくわからないけどとにかく辛くて、なんでかよくわからないけど毎日泣いてて、食欲も無くなって寝れなくなって、めちゃくちゃ病んでいた時にこのサビの歌詞にとにかく救われました。肩の荷が下りて、本当に気持ちがスッと楽になったことを覚えています。まじで命の恩人レベルです。
もうずっと前から聴いている曲なのに、改めてこんなふうに出会い直す日が来るとは思いませんでした。
④いつまでもいつまでも-SexyZone
ここにきてサブスクがないジャニーズの壁にぶち当たってしまいました。辛いな〜。ジャニーズ聴くようになって痛感したけど、サブスク解禁していないのが本当にもったいない。
ちなみに歌詞の雰囲気で言うと、これまた1曲目の『できるだけ』や2曲目の『記念撮影』と似ています。
”おとなになりたくない” いつか僕が僕じゃなくなりそうで
そのくせダダをこねた ”子供扱いするな”と言って
何者にもなれない不安と靴ずれが妙につらくて
明日なんかこないでほしいよと願った日もある
この部分の歌詞が本当に好きで好きで好きで…。1曲目で書いた”人間らしい矛盾”というのはまさにこういうことです。
これは完全オタク目線の話なのですが、最初のフレーズをマリウスくんが歌っていて、後半のフレーズを風磨くんのが歌っているのがたまらなくいいんです。
グループ最年少のマリちゃんが「大人になりたくない」と言うリアルな感じや、以前インタビューで『このグループに関して焦らなかった事は一度もない』と話していた風磨くんが、「何者にもなれない不安」と言う切実な感じ。
聴いているこっちの胸がキュウっとなる。
等身大の自分達を重ねることが出来そうな歌詞だけど、まるで過去を振り返るように歌っているのが、なんと言うかとても大人になったんだな…と思ってしまうというか。
以上あっという間の4曲でした。
早い。サクサクと終わってしまった。なので番外編を書こうと思うのですが()、その前にちょっと総括。
たった4曲ですが振り返ってみた時に、なんとなく全曲似たような雰囲気を持っているなと感じました。曲中で書いているテーマが同じと言うと、伝わりやすいでしょうか。
③の宇多田ヒカルはちょっと違うかもしれませんが、それ以外は基本的に"過去"と"今"について歌っています。過去を振り返ってみたり、大人になるこれからを想像してみたり。
卒業や就職があった2021年なので、やはり無意識のうちにそういった曲が印象に残っていたのかもしれません。
個人的にはそこが驚きと発見でした。
では番外編に入ります。
番外編① 風になって-[Alexandros]
車のCMソングに起用されたので2020年の年末あたりから歌っていましたが、正式にリリースされたのは今年の3月でした。
ちょうどサトヤスの勇退ライブを行った時期です。
3月の卒業シーズンとも重なって、まるでサトヤスの門出を祝うような、送り出すようなそんな曲に聴こえました。
さよならいつか 愛しい日々は流れて霞んでいく
それでもいつか 来たる日々に心を躍らせ
サトヤス勇退ライブで歌う洋平さんを見ながら、私は『愛しい日々』を「4人で過ごした日々」、『来たる日々』を「これから新しい[Alexandros]で歩き始める日々」と重ねてしまって、静かに涙がこぼれました。
ここにどんな意味を込めたのか 本当のところはわからないし、ただの妄想でしかないんだけど、進み続ける彼らを見て重ねざる得ませんでした。
番外編② 閃光-[Alexandros]
5月、『風になって』の次に出た曲です。リアドが加入して一発目の曲でもあります。
いわば、第二のデビュー曲。
この、
風になって→閃光 が続けて出たことに対して、
私なりに感じ取った意味・意志をどうしても残したくて、この2曲を出しました。
ドロスは様々なタイプの曲があるけれど、風になってと閃光は特にドロスの王道をいく曲調です。「この手の曲をドロスにやらせたら右に出るものはいないよね」となるくらい、疾走感と力強さを持ち合わせた曲はドロスの得意技でもあります。
そういう曲を、バンドが再出発をするこのタイミングで持ってきたところに、並並ならぬ決意を感じました。
絶対に負けない最強の手札を持って勝負に出たような、そんな感覚です。
特に閃光を聴いて強くそれを感じました。疾走感はもちろんあるけど、同時に感じる焦燥感。
『鳴らない言葉をもう一度描いて』
『今ならまだ間に合うよ 新しい世界を紡ぎ出していけ』
『新しい世界はもうそこにあって』
こういった歌詞から、進むんだという意思がひしひしと伝わってきて泣きそうになりました。
”まだまだなんだ、もっともっと先へ行くんだ、こんなところで燻っている場合じゃない。手に入れたいものが俺たちにはまだまだたくさんある。”という想いが伝わってくるよう。
そうだよ[Alexandros]はそうでなくちゃ、って思った。
映画のタイアップがついているので映画の世界観に合わせた歌詞ですが、同時に傷だらけになりながらも進み続けるドロスの姿が重なって、「あぁ、[Alexandros]やるんだな、ここからまた戦うんだな」と思ったことを覚えています。
このタイミングでそういう意思を感じるような曲が2曲続いたのは偶然かもしれませんが、偶然さえも運命のように引き寄せてしまうところがこのバンドの強みであり、ロマンがあるなと感じます。
繰り返しになってしまいますが、新たな出発点となるタイミングでこの2曲が続けて出されたことが、個人的には良かったなあと思う点です。
番外編③ Small Love Song - SexyZone
シングル曲RUNの通常盤カップリング曲に収録されています。
正直シングルのカップリングとなってしまうと、ファンじゃない限り聴かれることが少ないのも承知です…。
前半英語詞の曲なんですけど、和訳がとにかく良くて。その和訳に心を掴まれたので紹介したくて、書きました。
君の目をのぞく度、美しさを見つけ
君の目をのぞく度、人生を見つける
1番の歌い出しからもう最高です。オタクの皆さん、ここに出てくる『君』を自分の推しに当てはめてみてください…。
この部分をなんと風磨くんが歌っていて、もうなんというか説明できない気持ちになってしまいました。風磨くんを知っていく度に新しく知る素敵な部分や、増えていく好きが、綺麗な日本語で歌詞にされた曲です。
まさか出逢えるとは思っていなかった
どんな言葉よりも確かで 完璧で正しい
そう君は いつだってとても美しい
一番のお気に入りはここです。
説明するまでもないくらい、私が推しに抱いてきた気持ちがこの3行に詰まっています。
好きな人が紡ぐ言葉というのは、オタクにとってどんな頭の良い人が書くものよりも『確かで、完璧で正しい』ものなんですよね。
そしてその後に『そう君はいつだってとても美しい』と続くのがまた良い。
前後の文で繋がりがまったく見えないけど、最後には存在そのものを愛してしまう気持ちが『いつだってとても美しい』に込められている気がします。
私は常日頃からこういった、"オタク心情を当てはめてしまう歌詞"をメモしているのですが、その真骨頂に出会えたような気持ちでした。
これで本当に以上です。
このプレイリストはただ聴いてきた曲を集めているものではなく、「救われた曲」というのが大きなキーワードになっているプレイリストです。
だからその時の気持ちや 1年間何を思っていたのかを色濃く表しているものなので、来年も地道にやっていこうかなと思ったりしています。