嵐の曲にWONDER-LOVEという曲があります。
聴いていて好きだなあと思う曲は他にもたくさんあるんだけど、この曲に感じる「好き」はどこか別物で。
曲そのものというよりかは、曲から生まれる世界観というのかな。初めて聴いた時から頭の中でバッとストーリーが浮かんだんです。文学的な何かを感じた。特に歌詞から連想される世界観が大好きで大好きで、以前別のところに軽〜い物語を書いたほどです。
中学や高校の頃の私なら、美術でこの曲をテーマになにか作品を作ったでしょう。そうやってインスピレーションを受けるように好きだ！と思う曲がたまにあって、その一つがこれだったという訳です。
何もかも夢じゃない 僕らはココにいるんだ
このフレーズを口ずさむだけでも思わず「いいわ〜」と唸ってしまうほど、めちゃくちゃお気に入りの歌詞。初めて聴いた時からお気に入りになってしまったのにはメロディーラインの良さもあるんだろうけど、歌詞に着目するなら切なさと暖かさを同時に交えた言葉選びや雰囲気が好き。
どうして良さを考えた時に、切なさが混じってしまうのか。どう考えても切なさを感じるような歌詞ではないのに。
それは〝何もかも夢じゃない〟と現実を突きつけられるからなのかなと。でも現実だからこそ〝僕らはココにいる〟と、夢じゃないという幸せを感じることができる。これが最初に書いた、「切なさと暖かさを同時に交えた言葉選びや雰囲気」の正体。
もう少し詳しく書くと、人間誰しも「夢よ醒めないでくれ〜」と終わって欲しくない故に願ってしまう瞬間ってあると思うんです。マジの夢じゃなくて、現実の中で現実逃避をしているとわかっているからこそ、例えでそう思ってしまう時がある。
オタクが出す具体例で言うとそれはつまりライブです。幸せなあの時間、それが非現実だとわかっていても、幸せだからこそ終わって欲しくないと誰もが思うでしょう。
そんな時に〝何もかも夢じゃない 僕らはココにいるんだ〟と言われたら。これが夢ではなく現実で同じ時の中同じ空間を共有している嬉しさと、だからこそ現実なんだと感じてしまう切なさや、刹那故の儚さ。
ライブ特有の現実の中で感じる非現実や、それが永遠ではないという儚さがライブにおける美学でもあるとは思うんだけど、観客の心理状態としてはシンプルに辛い。ライブが終われば現実見たくね〜と思う。
そうやって、この歌詞から感じるものを歌詞の世界観だけでなく 日常に置き換えて当てはめることができるのも、この歌詞が好きな理由の一つです。
あとはなんだろうなあ。
私はこの曲を「ロボットの彼女に恋をした」話だと思っていて。
ロボットに知能があっても、ロボットと人間が完璧な意思疎通をすることはきっと難しい。意思疎通ができるように技術的に進歩していたとしても、どうしても人間はロボットに対して少しの壁を感じると思う。だからこそ好きを伝える言葉の一つ一つが、特別なものになる。
そして曲中の主人公は、このロボットの彼女を〝密かに誰かに教えてあげたい〟と自分だけの特別のように大切に扱っていたり、2番の歌詞全体から感じ取れるように、彼女の異次元そのものを受け入れてロボットの彼女の魅力に堕ちていく。
その全てを表しているのが
すべてを超えて「アイシテル」
極めつけのこの歌詞だと思うんです。この曲の恋愛感で登場するこの歌詞の強さったら、という感じ。
そして何よりもいいのが「愛してる」の表記がカタカナであるということ。
カタカナにすることによって、ロボットの彼女である相手に伝わるように想ってるんだなということが想像できるじゃないですか。これが漢字だったら主人公の一方的な想いでもおかしくない。
そしてもっと素晴らしいのが、歌詞を見ないで聴いてもこの「愛してる」は漢字ではなくカタカナの「アイシテル」なんだな、とメロディーだけで感じ取ることができること！これは聴けばわかります、本当に。聴くだけでわかるというのが、歌詞の世界観を伝えるのに完璧だなと思う。
エレクトリックな曲が元から好みだというのもあるけれど、こうやって曲を元にストーリーを連想できる曲が私は特に大好きです。聴けば聴くほど深まっていく感じが楽しい。そしてそれを考えてるのも楽しい。
この曲に関しては歌詞に登場する言葉ひとつひとつの言い回しが独特で難しいんだけど、それを自分なりに解釈して答え合わせをしていくのがものすごく楽しいよ。謎解きしたことないけど、謎解いた時みたいなスッキリした感じがある。
まさに速攻で この胸がTROUBLE
でも第六感で吸い込まれたブラックホール
ドアをノックした瞬間にYOU'RE-MY-STAR
とかね。
- provided courtesy of iTunes
アルバムAre you Happy?に収録されています。是非。ついでに前に書いた軽い物語というやつも、しれっとリンクを載っけておきます。是非。
