ひとりごとの記録

主に音楽、アイドル、菊池風磨くんのオタクのひとりごと。

解けない魔法を、いつまでも

野球観戦に行くかアイドルでも好きにならない限り、行くきっかけなんて訪れないだろうとずっと思っていた東京ドームに、セカオワが連れてきてくれました。

 

 

SEKAI NO OWARI DOME TOUR 2022

『Du Gara Di Du』9/15東京ドーム公演

 

 

1曲目のRPGから『煌めきのような人生の中で 君に出会えて僕は本当によかった』で双眼鏡越しに涙が出てきた。さおりちゃんのピアノに深瀬さんとなかじんが集まってきてここを歌うの、わかってたから双眼鏡を構えたけど、この歌詞はメモリアルな時に聴けば聴くほど泣いてしまう。

 

記憶が正しければタルカス以来の天使と悪魔、そしてここから続けてやったLike a scentが一番記憶に残ってるかもしれない。

 

落ちてく俺に伸びる手があった

その手は確かに温かかった

失うものもなかった俺が

隠してたナイフは折れてた

あの憎しみを音に変えた

そしたらそれが世界を変えた

俺が創り上げたファンタジー

 

Like a scentの歌詞は紛れもなく深瀬さんの10代の頃で、説明もいらないくらい激動の10代を過ごしてきた深瀬さんのことであって。伸びる手っていうのはきっとメンバーたちのことで、全てが絶望になってどん底に落ちたあの時、「世界の終わりから始めよう」っていう思いを込めて作り上げたものが、今のSEKAI NO OWARIで。

この6行に、私は10年間のすべてが詰まっているような気がしたから可能ならドームで聴きたくて。『あの憎しみを音に変えた』ものが私たちにも届いて広がって、やがて大きな輪になって、あんな大規模なライブをやるようになるまでになって、まさしく彼らの音が、『世界を変えた』んだよ。

ネオンの電飾で彩られた遊園地のセットの下で『俺が創り上げたファンタジー』って歌う深瀬さんを見たら、2013年の炎と森のカーニバルを皮切りにセットを通して夢の世界を具現化してきたライブをどんどん思い出して、彼が作った『ファンタジー』を今も生で受け取れてることに感動した。

大型セットで初めてやった炎と森のカーニバルは、最初深瀬さんが「自分が夢で見た世界を現実にしたい」っていうところから始まったよね。

 

まさかのトロッコに乗って登場した虹色の戦争と、続いて周波数。トロッコの周りにもダンサーさんがたくさんいて、遊園地というテーマなだけあって本物のパレードみたいだった。トロッコもドゥガラのキャラクター?の形や車の形をしてて、ただのトロッコじゃなくてあれはやっぱりパレードだったな。

東京ドームで聴く虹色の戦争は沁みるね。私は初めて見たライブ映像が、虹色の戦争でスターライトリングがぶわあ〜!っと光りだすあの瞬間だったので、イントロとなかじんの煽りを聞くとどうしてもそれを思い出してしまいます。

 

いい意味で期待を裏切られたレベルでよかったのがumbrella。『私の気持ちは自由だと誰かが言った そんな事ないわ 運命よりも変えられないの』の深瀬さんの歌い方がすごくて…曲中の登場人物が憑依したかのように切なげに苦しげに歌う姿が、もはや狂気に近くて。こんなに狂気的な曲だっけ?!って思わずなったくらい、深瀬さんの表現力に度肝を抜かれた。

 

umbrella→炎の戦士→illusion→ Eve

この流れに炎の戦士がいるのがあまりにも異質なので、なんか意味がありそうだよな〜…とは思う。なんなら炎の戦士は演奏中に「遊園地にエラーが起きました!みんな逃げて!」みたいな演出が挟まって、最後まで演奏しなかったし。途中で中断される演出、炎森スタラン編の生物学的幻想曲でやった停電の演出を思い出したのは…私だけですか…?ラブさんがひとしきり踊った後に、セットにある電気のレバーをガチャン!と直すあの演出…

 

ここに炎の戦士を挟んできた意図はまだわからないけど、意図などなくても炎の戦士は普通に泣ける。

僕を飾る宝石がなくなったって

守り続けたいものがある

守り続けたいものはもちろんセカオワで、それは他のメンバーももちろん一緒だけど、大学院への進学をやめてコツコツ貯めてきたお年玉貯金をclubEARTHのために全てはたいたなかじんだよ…。この想いを胸にずっとずっと命かけてやってきてくれたなかじんを思うと。

 

インソムニアから聴けてなかったラフレシア、あの時は深瀬さんがいきなり踊り出したのが衝撃だったけど、ついに今回なかじんまで踊り始めました!あれは本当にびっくりした!し、ギター持って踊ってるのおもろ可愛いだったし、シンプルにすごい。あと最後の『チョコレートフォンデュもやってみたいし〜』のところで、ステージの真ん中で体育座りしながら歌う深瀬さんが可愛かった。

 

スターゲイザーの照明演出は何回見ても鳥肌モノ。わかってても何回も見たいし、自分達まで照明に飲み込まれていく感じを何回でも体験したい。あれこそ芸術作品だよ。会場が広ければ広いほどそれを体験できる。

そしてそこからアウトロではさおりちゃんのピアノ演奏だけが残って、スターライトリングが青く光って一面が星の海みたいに光で染まったと同時に始まったのが、スターライトパレード

 

スターライトパレードのイントロが持つ力ってなんなんだろうね。あのイントロと『Welcome to STARLIGHT PARADE』っていう言葉が聴こえた時にくる高揚感。かつてはライブ1曲目の定番でもあったから、そういう私個人の思い出や思い入れももちろん関わってると思うけど、この曲とスターライトリングの光を見た時が一番"セカオワのライブ"を感じられる気がする。

 

 

演出を見ながら思った話をすると、

Like a scentと深い森はメンバーが見えなくなるくらいスモークが焚かれて幻想的だったんだけど、こういう演出は変な話、顔がずっと見えなくても大丈夫な"バンド"だからこそできるものかもしれないなあって思った。illusionとかスターゲイザーも、照明とレーザーでサビはずっとステージが見えないっていう時間があったんだけど、これも同じく。

セクゾの東京ドーム公演が決まったのもあって、アイドルと大きく異なる演出ってなんだろうなんて事を考えたりしたんだけど、やっぱり顔に重きを置いてるかどうか、みたいなところにあるんだろうな。

一曲まるごとスモークで顔見えませんなんて、アイドルを見にきてるお客さんだったら嫌だよね。

スモークの話、深い森は幻想的だったけどLike a scentはスモークにオレンジの照明で深瀬さんのシルエットだけが浮かぶような演出で、朽ちてくような荒廃的な雰囲気が曲とマッチしてて良い…と思いました。

 

スターライトリングの演出はかれこれ10年くらい前からやってるけど、そういうペンライトに似たものもそう、今回はトロッコに乗ったり深瀬さんやなかじんが踊ったり、セカオワは"お客さんを楽しませるため"なら本当になんでもするんだなあと改めて思いました。

この人たちに今更ジャンルの話をするなんて愚問にも程があるけど、ジャンルレスになんでもやる姿勢は今に始まった事ではなく、彼らはもう何年も何年も続けていることなので。そういう意味でも、歌手というよりやはりエンターテイナーという言葉が似合う人たちです。

 

 

宝箱のようにキラキラ輝いていて、私たちが子供の頃に見ていた夢の世界を形にしてくれている。形のないファンタジーを唯一、目や耳で感じられる場所って、ここなのかもしれない。

もう10年くらい前の話。セカオワのライブ写真を見た時、おとぎ話の世界みたいで本当に夢のような空間に見えて、今までライブに興味なんてなかった自分が初めて行ってみたいって思ったライブがセカオワだったな。

こんなすごいライブをする人たちを好きでいることが本当に自慢。正直セカオワのライブ見ちゃったら、他に勝るものなんてないって思っちゃう。

 

f:id:vvave:20220916170750j:image

 

魔法は解けるものだと言うけれど、何年経っても彼らの魔法にかかっていたいと思いました。そんな意味を込めて、解けない魔法を、いつまでも。