ちょっと前、Twitterにこんなことを書きました。
「キミの夢を見ていた」という最高にロマンチックで温かくて優しくて、
でもありふれた日常と当たり前が何よりの幸せであり
奇跡なんだと教えてくれる実はとんでもないラブソング。
絶対ぜったい歌詞解釈書きたい。
嵐の曲です。初めて聴いた時からずっとタイトルに惹かれていた曲。「キミの夢を見ていた」という言葉の響きが魅力的で、無条件に好きでした。もし私が恋愛ものの小説かなにかを書くとしたら絶対この曲からタイトルをもらっていた気がします。それくらい好き。
歌詞に入る前に。いきなりで申し訳ないのですが、とりあえずこの曲めちゃくちゃ可愛いんです。
2014年発売の”THE DIGITALIAN”というアルバムに収録されている曲なんだけど、タイトルがDIGITALIANというだけあってクールでスタイリッシュな曲が多い中、この曲だけちょっとだけ雰囲気が違くて浮いてるんです。でも他とテイストが違う曲だからこそ、キュートな曲調が際立って、印象に残ったのかもしれません。というかそんな気がします。
輝いて もう 泣かないで
この素晴らしい世界でほら 君のことを見つけた
ものすごいロマンチックな歌詞。愛を伝えるうえで、どんな言葉よりもこの言葉が究極の言葉だと思う。
いつだってそばにいるよ
果てしない夜の片隅に 君の夢を見ていた
一つ目に登場した「素晴らしい世界」と、この二つ目で登場する「果てしない夜の片隅」という言葉達。この1番のサビにある二つの言葉に共通するのが、「なにも特別なシチュエーションではなくごく当たり前の日常のワンシーンであり、同じ時を過ごしている人が他にもたくさんいる」ということ。
そしてそんな中で「君のことを見つけ」、「君の夢を見ていた」。
他にも何億通りとある出会いの中で君を見つけたと歌い、何億通りとある夜の中で君の夢を見ていたと歌う。
曲名にもなってる「君の夢を見ていた」。意味としては「君が夢に出てきた」と一緒なんだろうけど、前者をチョイスしたのがとても良い。「君の夢を見ていた」の方が、この曲の主人公がどれだけ相手のことを想っているかが、聴き手に伝わる気がするから。
こうやって書いてきたように、私はこの曲をラブソングだと思っているんだけど(誰が聴いてもラブソングと捉えるとは思うが)、2番のサビは一瞬そこから離れても聴くことができるというか。
消えないよ 目を閉じたって
いや、本当にこのワンフレーズだけなんだけど。でも全体の歌詞を読んでいてもここだけイメージしにくいなあと思う。パッと想像したり、当てはめたり出来ない気がする。
つまりこの歌詞って「夢のように思えるけどこれは現実だよ」「ここにいるよ」「失うことはないよ」っていう意味に変えられると思う。でもそれって恋愛だけに当てはめられることじゃないと思って。恋愛対象ではないけれど、誰よりも好きでどんなものよりも特別な存在。
私たちにとってそんな風に恋愛以外の好きな人というと、代表的なのは推し。むしろそれしかいない。そしてその推しと会えるのはコンサートやライブ。
そういう場でも、「夢のように思えるけどこれは現実だよ」「ここにいるよ」「失うことはないよ」っていう意味を持ったこの歌詞は、当てはめられるのではないかなあと思うんです。というか私は真っ先にこっちで捉えてしまいました。こういうところが限界オタク。
同じく嵐の曲にある”WONDER-LOVE”という曲に出てくる、”何もかも夢じゃない 僕らはここにいるんだ”という歌詞と同じものを感じる。
ちなみにWONDER-LOVEも歌詞解釈の記事を書いているので是非。
このWONDER-LOVEについて書いた時も思ったんだけど、アイドルが歌うからこそ生まれる儚さがあると思っていて。このアイドルマジックってなんなんだろう。歌う人って意外と大事で、同じ歌詞をもしバンドマンが歌っていたらまた感じ方が変わっていた気がする。
私自身がアイドルを「儚いもの」として捉えてる部分があるから余計にそう思うんだと思う。アイドル=儚いものと定義した時。 自分たちが消えてしまいそうな儚いものであるというのに、「消えないよ」と歌うその矛盾が生む儚さ。これなんだよなきっと。多分似たようなことをWONDER-LOVEの記事でも書いてます。
戻れない時間(とき)の儚さに 光をまた見つけた
ありふれた日々それだけで奇跡 一度きりだから愛しくて
割と速めなテンポの中でさらりと歌われるのでスルーされてしまいそうだけど、実はめっちゃ深いことを歌ってる。説明するまでもない歌詞たちだからこそ、意味を噛みしめてほしいと思う(誰)。
過ぎていく時間の中で、変わりゆくもの。その中で終わってしまうものや新しく始まるもの。そうやって一度しかないということに価値を見つけ、素晴らしいと思うことができる。
「一度しかないから素敵」という価値観。
こういう時間の捉え方をする曲に早いうちに出会えたら良いよねって思う。こういう風に思えるか、思えないかによって受ける悲しみの量も変わるし、一瞬を大切に思えるかがきっと変わってくる。必要以上に終わりに対して悲しむ必要もなくなる気がする。
私はそういう考え方をセカオワの不死鳥という曲で知りました。懐かしい。
この価値観を感じた上で1番のサビを聴くと、「一度しかない人生の中で君のことを見つけた」とも聴くことができて、いかにロマンチックな歌詞なのかがわかる。
特別なものなんていらない。好きな人がそこにいるだけで愛になる。そうやって当たり前が幸せだと教えてくれるからこそ、私はこの曲が壮大なラブソングだと思い、冒頭のようなツイートを残した理由です。